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2013年11月14日木曜日

担任学

ありそうで中々ないのが「担任学」ではないでしょうか。
教職課程の中にこうした科目を見つけることは難しく、
「実地で学べ」という感じになっています。

教育実習で見るのは、沖縄への修学旅行に例えればビーチを見ただけで、担任という業務に関わる中で本当に学んでおかなければいけないことは教職についてから、ということになります。

しかし、初任者として行った学校で、担任として必要なことを学べる環境があるとは限りません。担任として成長するためには、
体系知とメンター、学習する組織風土、時間を含めた物的環境が必要となると思います。これらが整備されるには、今日の学校現場は忙しすぎます。中には、中堅の先生が居ないので、とにかく一年目から担任を任される、というケースも少なくありません。

そうした中で、当初の予定どおりには動かない子どもや、保護者の過大な要求に心身ともに疲れてしまい、そうした状況に追いやった先輩や学校を愚痴りつつ、すねてしまう新任の先生もいらっしゃるかもしれません。

「教師の専門性を高める担任学」という本では、アメリカのカーネギー財団のもとで組織された「全米教職員専門基準委員会」が発表した「教職専門性の基準大綱」が紹介されています(pp.48-49)。
これは、1983年に発表された「危機に立つ国家」を機としたトップダウンの教育改革を第一の波とすれば、それに応答するボトムアップの第二の波と言われます。
この大綱では、
命題1 教師は、生徒たちと彼らの学習を委託されている。
命題2 教師は教科内容と教科の教育方法を知っている。
命題3 教師は生徒の学習の経営と助言に責任を負っている。
命題4 教師は自身の実践を系統的に思案し経験から学ぶ
命題5 教師は学習共同体のメンバーである。
ということが示されています。

もし、「担任学」が教育現場でしか学べないものであるとすれば、命題4と命題5で示されているように、体験からいかに学ぶかということがもっと重視される必要があるのではないでしょうか。
そのための取り組みの一つが、この本の半分を占める教育実践記録を書くということでしょう。新年度を迎えるに当たり、これまでの一年の実践を振り返り書く。
この「書く」という行為が、「実践の中の知」を意識化するのだと思います。そして、言語化された実践を資源として、学習共同体における学びが促進されるのだと思います。

「担任力をどのように高めるか」について、色々な学校での取り組みを伺いたいですね。

http://www.amazon.co.jp/教師の専門性を高める担任学-教師教育学シリーズ-唐沢-勇/dp/4761904364/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1365040899&sr=8-1&keywords=教師の専門性を高める担任学

教室ファシリテーション 10のアイテム

あなたは結婚式に参加したいですか?それともお葬式に参加したいですか?、といういささか不謹慎なたとえ話から始まる本があります。
実は、これは授業のたとえ話です。
結婚式は、たとえ義理で出席したとしても、円卓を囲んで談笑できます。一方で、お葬式はただじっとしていなければなりません。このお葬式が一斉授業だというのです。

筆者は自身の失敗体験をもとに、関わり合いの中から生徒が学ぶ手法について紹介していきます。

例えば、お互いの話をしっかり聴くペア・インタビューは、お互いが「聴いたら聴いてもらえる」という信頼関係を築き、かつ見知らぬ相手のことをよく知ることができる、知ってもらえるという点で、年度当初に適した活動であると言います。

また、ディスカッションのセッションでは、「決めることが優先され、そのプロセスがないがしろにされる」ことを避けるために、まずペアでディスカッションをするのが良い、と助言します。

また、参加者のネットワークを築きつつ、場の一体感を高める効果のある「ワールド・カフェ」というやり方も紹介されています。

新年度に担任をされる先生であれば、ちょっとやってみようかなというヒントの得られる一冊です。

http://www.amazon.co.jp/教室ファシリテーション-10のアイテム・100のステップ―授業への参加意欲が劇的に高まる110のメソッド-堀-裕嗣/dp/4761918845/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1364279925&sr=8-1

学級経営 10の原理

堀裕嗣「学級経営10の原理 100の原則」

冒頭の「非凡な教師は、平凡なことを徹底し、その上で非凡なことに取り組んでいる」
若手教師だけでなく、「若さで乗り切ることに限界を感じ始めている中堅教師に、生徒がわからなくなったと嘆いているベテラン教師に」も向けて書かれているということで期待して読み始めたのですが、「原理」というだけあって、あまり驚きはありませんでした。

おそらく、こうした「原理」を徹底して身体化し、どのような状況であっても対応できるようになることが必要なのであり、その対応の過程に、その先生の生きてきた過程、すなわち個性が発揮されるのだと思います。

原理はあくまで原理であり、原理を知ることや法則化することは理解を助けはしますが、マニュアル化とは異なります。
教育をサービスと捉えることには語弊が生じますが、生産と消費が同時に行われる産業形態をサービスと理解すれば、マニュアルを踏まえたうえで、瞬時に適した対応ができる能力が必要になるのでしょう。それは、マニュアルでは書ききれません。

しかし、その個々の対応が組織として一定の方向に向いていることも重要になります。それを束ねる価値観をクレド(信条)としてまとめたり、ビジョンを構築し共有する場を持ったりすることも必要になるのでしょう。

加えて、教育という営みであることを考えますと、その対応が将来的にどのような影響を及ぼすのかという見通しや、他の児童生徒にどのような影響を及ぼすのかという広い視野が必要とされます。そこに、「経験」の価値が生まれるのだと思いますが、この「経験」は「省察」という作業をもって、糠床を毎日こねるように日々「学び」につなげなければ使えないものなのでしょう。


より具体的な手法が知りたい、ということであれば、同じ著者による「教室ファシリテーション 10のアイテム 100のステップ」が参考になりそうですので、またご紹介できればと思います。

【学級をマネジメントする10の原理】
・一時一事
・全体指導
・具体作業
・定着確認
・具体描写
・時間指定
・即時対応
・素行評価
・一貫指導
・同一歩調

http://www.amazon.co.jp/学級経営10の原理・100の原則―困難な毎日を乗り切る110のメソッド-堀-裕嗣/dp/476191808X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1362620678&sr=8-1

生徒会コーチング

先週、生徒会を対象としたセッションの打ち合わせにある女子校に伺いました。
これは、関西でチームコーチングという手法を勉強されている方が、ボランティアで実施いただくというもので、通常は上場企業や大学職員、プロ野球チームなどで実施されています。

話を聞いていただいた先生は30代の先生で、来年に生徒部の部長になるということです。中高合わせて30人ほどの生徒会が活性化する上でとてもよさそうだということで前向きに検討いただきました。
最初に2日間のセッションを行い、「自分達に求められていることは何か」「生徒会のビジョンは何か」を話し合い、「現状はどうか」を確認することでモチベーションを高めます。
そのあと、1ヶ月ほどしてから進捗状況を確認し、またその後1ヶ月ほどして状況を確認し、チームとしての動きを作っていきます。

放課後補習でなかなか時間がとれないなど障害はありそうですが、学校として一つ上のステージに上がるためには必要となる取組だと思いますので、ぜひ実現いただければと思います。

大学授業がやってきた

桐光学園の本ですが、これは大学の先生が、しかも一流どころの、学校にやってきて行った講演を記録したものです。

たまたま学校に伺った際このお話になり、本を拝見したところその場で買い求めたもので、帰りの電車で興奮して読み進めました。最先端の研究をわかりやすく伝えられていて、そこに一流であることが感じられる本です。随所でその研究者が影響を受けた本や、その先生の書かれた本が紹介されており、おかげでアマゾンの出費がかさみました。

シリーズで5まででているのですが、個人的には最初の「大学授業がやってきた!知の冒険」が好きです。

単に大学の先生を呼ぶだけでなく、これを記録し、さらに一般書店に並べて学校の宣伝をしてしまうという一石三鳥の経営戦略にも脱帽です。

この手法は他の学校でも使えるかもしれません。一工夫加えるなら、講演録は生徒がグループになって分割して書き起こすとよいのかな、と思います。

http://www.amazon.co.jp/大学授業がやってきた-知の冒険-桐光学園特別授業-桐光学園/dp/4880652083/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1361414371&sr=1-1

保護者との関係

保護者を一緒に教育を行うパートナーとみるか、自分のやりたい教育を阻害するクレーマーとみるかで考えるべきことも代わってきますね。後者は教育をサービスと見る意識の副作用と言えるかもしれません。一緒に教育を行うパートナーを募集している、ということを伝えて理解を求めるプロセスが生徒募集活動なのかもしれません。

http://www.amazon.co.jp/月刊-ホームルーム-2009年-06月号-雑誌/dp/B0026IIXBM/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1358220284&sr=8-1

ホームルームづくり百科

「ホームルームづくり百科」(『月刊高校生』編集部・編1990)を少し読みました。
・クラス討議のしかた(p.90-)
・ホームルーム目標(p.96)
おもしろいのは、元国鉄職員の詩「便所掃除」(p.160)。
また機会があればご紹介したいですね。

「正直いって街で卒業生に出会うことが怖い。」という先生の話(p.218ー)は色々と考えさせられるテーマです。

「私のすすめるホームルームづくりのための5冊」(p.250-)は、合計25人が紹介しているので結構なボリュームですが、すべて読了してみたいものです。何人もの先生がそこで挙げていた
「学級集団づくり入門 第二版」(全生研常任委員会 明治図書) 現在の状況や文脈の中でどのようにその実践を継承し、発展するかを考えたいですね。

http://www.amazon.co.jp/ホームルームづくり百科-『月刊高校生』編集部/dp/4906277144