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2013年11月14日木曜日

キャリア教育のウソ

「キャリア教育のウソ」という本が目に留まり、さっそく買ってみました。
主な内容は、これまでのように「やりたいことを見つける」「それにあった職業を探す」「その職業につくために頑張ろう」という流れを前提とするキャリア教育の考え方の見直しです。

たしかに、そんなうまいことはいかないということは誰しも思っているところで、筆者もいうように「自分の適性と職業さがしを同時並行で関連づけながら進める」「職業を絞るのではなくいろいろと興味をもつ」という方向性で進める、ということはずいぶんと前から言われてきたことだと思います。
筆者の指摘にもあるように、消費文化に適合的なコンサマトリー(消費志向)な価値観は「今が良ければよい」という考えを導くため、「将来に向けてコツコツと積み上げていく」という学校文化をつくるためにも、こうしたキャリア教育が推奨されてきたのだと思います。

職業体験、特に中学校での実施は、体験を通じての学びや動機づけが目的とされますが、地元の商店街での体験を通じてキャリア形成するというのは無理があります。
本来は、高校や大学を卒業して3から5年後、10年後の学習支援体制があるかというところが大事なんでしょう。それこそ、これまで企業が担っていた教育なのでしょうが。

職業体験やキャリア教育を通じて意識すべきなのは、自分の価値観なのでしょう。それが、キャリアアンカーの土台をつくるのだと思います。そういう観点で職業体験を考えれば、事前事後の指導についてこんなことが考えられるかもしれません。

まず、事前指導として、体験先に応募するためのエントリーシートを書きます。ここで、自分がこれまでにどのようなことをしてきたのか、そこから何を学んだのか、なぜその体験先に行きたいのかという自分の体験の整理と方向づけをする機会を設けます。
そして、事後指導として「自分は体験先でどのような貢献をチームやお店にできたのか」「自分はどのような仕事が好きなのか/嫌いなのか」を省察します。

本書で、現在学校でも取り組める建設的な意見としては、

「キャリア教育を学習指導・生徒指導・進路指導の土台とする。中でも家庭科をキャリア教育上、重要な教科と位置づける」

「それぞれのライフステージで起こる問題や課題、仕事と生活をどう両立させ折り合いをつけるのかを考える」

「構造的に非正規社員が一定数生み出され、高校生の8割が非正規になるかもしれないと思っていることを考えるのであれば、丸裸で社会に出すのでなく、骨太の労働法を学んでおくことや、将来迷ったとき、困ったときに相談できる仲間を作っておく」

という点かな、と思います。

http://www.amazon.co.jp/キャリア教育のウソ-ちくまプリマー新書-児美川-孝一郎/dp/4480688994/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1374726557&sr=8-1&keywords=キャリア教育のうそ

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