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2009年12月15日火曜日

私立学校の進路指導 ベネッセのサイトより

ベネッセのサイトで紹介された進路指導実践を私立学校に絞って抜粋しました。


○ベネッセ 進路指導のキーワードで引っ掛かった学校(抜粋)
http://benesse.jp/berd/center/open/keyword/sinro_sido.shtml

初期指導の徹底で「自力」ある生徒を育て進学実績が向上  
和歌山県・私立開智中学校・高校(VIEW21[高校版]2007.09)

6年一貫の「未来航路プロジェクト」で進路の視野を広げる  
岡山県立岡山操山中・高校(VIEW21[高校版]2007.04)

面談と保護者との連携により、進学意識・実績の向上を図る  
大阪府私立啓光学園中学・高校(VIEW21[高校版]2007.02)

教科学習と総合的な学習の時間の両立で生徒の学びの質を転換  
東京都・私立順天中学校・高校(VIEW21[高校版]2006.9)

「一流の高校生になれ」徹底的にかかわる指導で生徒の意欲を引き出す  
宮城県・私立古川学園中学校・高校(VIEW21[高校版]2009.12)

「2年生の大切さ」の共有が進路実現の後押しとなる  
東京都・私立錦城高校(VIEW21[高校版]2009.9)

「大学に入ったがしたいことが分からない」 そんな生徒をなくしたい  
島根県・私立石見智翠館高校教諭 細木康弘 (VIEW21[高校版]2009.9)

入試問題研究を通して授業力、受験指導に対する意識を高める  
東京都・私立淑徳巣鴨中学高校 (VIEW21[高校版]2009.6)

25年後のビジョンを進路決定の柱とし、生徒の意欲を高める  
東京都・私立実践女子学園中学校高校(VIEW21[高校版]2009.4)

チューター教師と担任の連携で生徒の内面に深く切り込む  
奈良県・私立橿原(かしはら)学院高校(VIEW21[高校版]2008.9)

「進路指導は生き方指導」を理念に体系的な進路学習で意欲を高める  
栃木県・私立文星芸術大学附属高校英進科(VIEW21[高校版]2008.2)

考える力を身につけ「幸せ」を追求し続ける生徒を育てる  
愛知県私立一宮女子高校(VIEW21[高校版]2007.12)

総合学科に再編し、生徒の自立と自律を支える指導を徹底  
京都府・私立福知山淑徳高校(VIEW21[高校版]2007.10)

学力と教養を身につけ、人々の「共感」を呼ぶリーダーを育てる  
神奈川県私立聖光学院中学校・高校(VIEW21[高校版]2007.02) 進路指導 

目標に向かって前向きにチャレンジする姿勢を育てる  
兵庫私立松蔭中
学校・高校(VIEW21[高校版]2003.6

変化するドリカムプラン

1995年に始まった福岡県立城南高校の「ドリカムプラン」。その後どのようになっているかが気になり調べるとドリカムも変化しているようです。その背景には入学する生徒の変化がある、特に学力の土台が揺らいでいる、と指摘しています。

もともとドリカムは、新学習指導要領のもとで育った子どもがこれまでの入学生と違うということをきっかけに始まったプログラムです。そして、およそ10年たった後、また見直しがはかられています。このことはどのようなすぐれたプログラムも10年、おそらくはもう少し短いスパンで構造そのものを問い直すことが必要であることを示しています。
構造そのものを問い直すとはどういうことでしょうか。ドリカムプランも毎年のようにマイナーチェンジが繰り返されています。(月刊高等教育「生徒主体の進路学習 ドリカムプラン」2002年10月増刊号)しかし、構造を問いなおすとは、今回の見直しでも触れられているように生徒観そのものを問い直すということを意味しています。

20年前の状況とは違い、いまでは中学校で職業体験をする生徒が増えています。これまでのドリカムの活動は生徒と大学または職業のマッチングを行うことを主とするプログラムでした。しかし、今は「働くことの意味」を問うプログラムに修正しているということです。キャリアカウンセリングのプロセスでは、「働くことの意味」を考えることが最初のステップで、次に「関心や強みと職業のマッチング」、その次に「職業調べ」と進みます。その意味では一つ前のステップをきちんとしようというプログラムになったと言えます。

このように生徒観そのものを問い直すという作業は、何も進路指導に限って必要だということではありません。記事では、肥大化したプログラムを「なぜこの行事をするのか」と目的を確認することで精選していったことが触れられています。これは、生徒の変容や教育的行為の目的でなく、その行事を行うことが目的化してしまう危険性を示しています。手段の目的化です。その結果、城南高校では「ドリカムに時間が割かれ、生徒一人一人と向き合う時間がなくなる」という本末転倒な状況が生じてしまいます。

こうしたことは、実はもう少しメタレベル(上位概念レベル)でも生じることです。例えば、「自律的な生徒を育てるためのプログラム」「自主的な生徒をつくるための指導」、とった言葉に隠されているパラドックスです。つまり、自分で自分を律することができるようになるために他律的に枠にはめられないといけない、自分から進んでものごとを行うように他の人からしつけられる、ということです。このことは、授業や校内研修といった組織的に学習する際にどのようなまなざしをもつべきかを示しているのではないでしょうか。すなわち、学習を構造化することは必要であるが、個々人と個人間で生じる関心や学びへの対応は個別柔軟に対応する姿勢が必要であるということです。

そして記事の中でも述べられています通り、いかにして集団をチームとして組織するかということに並行して取り組む必要があると思います。ダニエル・キムは「成功の循環」という概念で関係の質が考え方の質を変え、考え方の質の変化が行動の変化を生む、と考えを示しました。(Daniel H.Kim "Organizing for learning" Pegasus Communications 2001 p.78)個々に対応した進路指導は、個々人の良質な関係性を構築することで化学反応を起こし、進路意識の形成や進路に向けた動機づけをもたらすのだと思います。

まとめますと、今回の城南高校の取り組みから次のことが学べると言えます。
1.定期的に生徒観そのものを問い直す機会を設定する必要がある。
2.現在の進路指導の行事が、キャリアカウンセリングのどのステップに位置づき、どのような目的で行われるべきものかを整理する。
3.チームとして取り組めるプログラムにする。


○ベネッセ
http://benesse.jp/berd/center/open/kou/view21/2008/04/04shido_01.html