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2013年11月14日木曜日

君が舞台に立っていると考えてごらん。

先週、キャリアカウンセラーの勉強会がありました。キャリアカウンセリング理論の洋書を読んで意見交換するという勉強会で、社会構築主義的アプローチがテーマです。

社会構築主義というと難しいですが、社会で起こることや意味は人々の意識や感情で作り上げられている、という視点で物事を見てみようという立場です。

ここ数回のテーマは、キャリアカウンセリングにおける「ナラティブ」(語り)の重要性ということでした。
これまでのキャリアカウンセリングは、どちらかというと直線的で、「こうなるためには、こうしないといけない」という論理を積み上げていくアプローチでした。

これは、最初のキャリアカウンセリング理論ができた時代が、まだ近代的産業構造を前提としていたためで、チャップリンのモダン・タイムズのように工業モデルが主流だったことも影響しているようです。ホランドの理論の、心理テストによる個人特性の把握と職業のマッチング、という考えもこうした時代に作られています。

しかし、その後、ハプニング理論(人生何が起こるかわかならい)というようなものがでてきたことからもわかるように、先の見えない時代におけるキャリアカウンセリング理論が求められるようになりました。

そこで、これまでのような「大きな物語」が期待できない中で、小さな集団や個人が依拠できるようなストーリーづくりが求められます。こうした流れの中で、「ナラティブ」(語り)が着目されました。

ごく簡単に言えば、個人の経験として散逸している「事実」を意味のあるつながりとしてまとめること、その過程で細かな「感情」の機微に目を向けることが重要とされます。

具体的には、
・「あなたの生き方のあらすじ(プロット)はどのようなものでしたか?」
・「家族や親しい人から渡された台本(スクリプト)はどのようなものですか?」
・「あなたの人生の次の章はどのようなタイトルになりますか?」
などの質問が挙げられていました。

実際に参加者同士でこうした質問をしてみますと、質問に「ストーリー」を喚起するような単語があるせいか、自分の経験を関連づけるよう意識が働くことが実感できました。

体験後、どのような場面で生かせるかを話し合いました。
難しいけど、できたら良いね、と話し合ったのが毎年の人事考課の面談の場面ということでした。
「もし、この一年の活動にタイトルをつけるとしたらどうなる?」という質問で始まる面談をする会社って面白いですよね。

私たちのように学校に関わる関係から言えば、担任と生徒の面談の場面で使うと面白い効果があると思います。中学生ではまだ難しいかもしれませんが、高校生に対してこんな質問を投げかけてみてはいかがですか。

「君が、ある演劇の舞台に立っていると考えてごらん。そして、今、第二幕のカーテンが開いたんだ。君は、どのような役割を演じているかな?その劇はどのようなタイトルなんだろう?」

いつもと違う質問をすることで、きっと生徒の別の顔も見えると思いますよ。

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